「ご来訪お待ちしております」は、ビジネスメールで頻繁に使われる丁寧なフレーズですが、正しく使えていますか?
この表現一つで、相手への印象や信頼度が大きく変わることもあるため、場面に応じた使い分けがとても重要です。
本記事では、「ご来訪お待ちしております」の基本的な意味から、商談・面接・取引先対応など目的別のメール例文、言い換え表現、さらには英語での書き方まで、あらゆるシーンに対応できる内容を網羅的に解説します。
さらに、相手に配慮が伝わる一言フレーズや、印象アップのポイントも紹介。
丁寧で誠実な印象を与えるメールが書けるようになる実践的なノウハウが満載です。
メール作成に自信がない方も、この記事を読めばすぐに使える表現が身につきますよ。
ご来訪お待ちしておりますメールとは?意味と基本マナー
ビジネスメールでよく使われる「ご来訪お待ちしております」というフレーズ。
この章では、その意味や使いどころ、失礼にならないためのマナーまで、基本を丁寧に解説します。
ご来訪お待ちしておりますの意味と敬語としての位置づけ
「ご来訪お待ちしております」は、相手の訪問を丁寧に歓迎する言い回しです。
「来訪」という言葉自体に敬意が込められており、それに「ご」を付けることでさらに丁寧さが増します。
「お待ちしております」は「待っています」の謙譲語で、控えめに自分の行為を表現することで相手への敬意を示しています。
つまり、このフレーズ全体で「あなたの訪問を心からお待ちしております」という敬意と歓迎の気持ちを伝える丁寧表現なのです。
このフレーズが使われるシーンとは?
「ご来訪お待ちしております」は、以下のような場面でよく使われます。
| 使用シーン | 具体例 |
|---|---|
| 面接の案内 | 応募者に来社日時を案内するメール |
| 商談・打ち合わせ | 取引先との訪問予定調整メール |
| セミナー・イベント招待 | イベントに来てもらう際の招待状やリマインド |
このように、「ご来訪お待ちしております」はフォーマルな場面全般で幅広く活用されます。
特に、初対面の相手や目上の方に対して使うと、丁寧で信頼感のある印象を与えることができます。
使用時に気をつけたい敬語・マナーの注意点
便利な表現である一方、使い方を間違えると違和感を与えてしまうことも。
たとえば「当日のお越しをお待ちしております」という表現は、文法的にやや不自然とされます。
自然な言い回しにするためには、「当日はお待ちしております」や「お会いできるのを楽しみにしております」に置き換えるのがベターです。
また、「ご足労おかけします」も便利ですが、応募者など目上でない相手には使わない方がよいという意見もあります。
敬語やマナーに関しては相手との関係性に配慮し、必要以上に堅苦しくならないよう心がけましょう。
敬意を示しつつも、相手が気負わず来社できるよう、バランスの取れた表現を選ぶことが大切です。
状況別「ご来訪お待ちしております」メール例文集
実際に「ご来訪お待ちしております」というフレーズを使いたいけれど、どんなふうに書けばいいのか迷いますよね。
この章では、よくあるシーン別に使えるメール例文を紹介します。
フォーマルな言い回しから英語表現まで、一緒に見ていきましょう。
面接の案内メールでの使い方と例文
応募者に面接の詳細を伝える際は、日時・場所に加え、気遣いの一言を添えることで印象が良くなります。
| 目的 | 面接の案内 |
|---|---|
| トーン | 丁寧で配慮のある表現 |
【例文】
件名:面接のご案内(◯月◯日 ◯時〜)|株式会社○○
本文:
○○様
お世話になっております。株式会社○○ 採用担当の△△です。
このたびは弊社求人にご応募いただき、誠にありがとうございます。
書類選考の結果、次のステップとして面接を実施いたします。
■日時:◯月◯日(◯)◯時〜
■場所:○○ビル3階 受付
■持ち物:履歴書・筆記用具
当日はどうぞお気をつけてお越しください。
○○様のご来訪を、心よりお待ちしております。
商談・打ち合わせ依頼メールの例文
取引先との商談や定例ミーティングでは、相手の予定を気遣う姿勢も大切です。
| 目的 | 商談・打ち合わせの依頼 |
|---|---|
| ポイント | 日時の明示+調整の余地 |
【例文】
いつも大変お世話になっております。株式会社○○の○○です。
このたび、〇〇案件に関しまして打ち合わせの機会を頂戴できればと存じます。
ご都合がよろしければ、下記日程にてご来訪いただけますでしょうか。
■日時:◯月◯日(◯)14:00〜
■場所:弊社会議室(○○ビル3階)
もしご都合が合わない場合は、他の候補日をご教示いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。ご来訪をお待ちしております。
イベントや展示会の招待メールの例文
展示会やセミナーへの招待には、期待感と感謝を込めた表現が好まれます。
| 目的 | イベント招待 |
|---|---|
| 特徴 | フォーマルだが歓迎ムードを演出 |
【例文】
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、このたび弊社では、新製品発表展示会を下記のとおり開催する運びとなりました。
◯月◯日(◯)10:00〜18:00
○○ホールA(○○駅 徒歩3分)
当日は実機デモンストレーションや特別セミナーも予定しております。
ご多忙中恐縮ではございますが、ぜひご来訪賜りますようお願い申し上げます。
スタッフ一同、皆さまのご来訪を心よりお待ち申し上げております。
英語で伝える場合の例文(ビジネス英語対応)
海外の取引先には、英語での表現も必要になります。
| 定番英語表現 | We look forward to your visit. |
|---|---|
| 丁寧な表現 | We will be pleased to welcome you at our office. |
【例文】
We look forward to your visit to our Tokyo office next Tuesday at 10 AM.
We will be pleased to welcome you at our headquarters on September 5th at 3 PM.
英語でも「楽しみにしています」という気持ちを丁寧に表現することが大切です。
他の言い換え表現とその使い分け
「ご来訪お待ちしております」以外にも、訪問を歓迎する表現はたくさんあります。
この章では、よく使われる言い換え表現と、その使い分け方を紹介します。
言葉のニュアンスを理解することで、相手やシーンに合わせた適切なメールが書けるようになりますよ。
「お越しをお待ちしております」との違いと例文
「お越しをお待ちしております」は、やや柔らかく、親しみやすい印象の表現です。
対面での会話や、長年付き合いのある取引先、顧客とのやり取りに適しています。
| 表現 | 印象 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ご来訪お待ちしております | フォーマル・丁寧 | 初対面の相手・ビジネスメール |
| お越しをお待ちしております | ややカジュアル | 既存の取引先・社内連絡 |
【例文】
このたびの打ち合わせにつきまして、◯月◯日(◯)10時より弊社にてご説明の機会を設けさせていただきました。
◯◯様のお越しを、心よりお待ちしております。
「お会いできるのを楽しみにしております」の使い所
この表現は、訪問自体よりも「相手と会うこと」に焦点を当てたフレーズです。
面接や初対面の人との商談、カジュアルなやり取りにも使いやすいのが特徴です。
「お会いできるのを楽しみにしております」は、やや感情を込めた表現なので、メールのトーンが柔らかくなります。
ただし、あまりにもビジネスライクなメールには適しません。
【例文】
このたびはお時間をいただき誠にありがとうございます。
当日は直接お話しできることを楽しみにしております。
◯◯様にお会いできるのを、心より楽しみにしております。
「ご足労おかけします」を使うときの注意点
「ご足労おかけします」は、相手が訪問することに対して敬意を込めて「わざわざ来ていただいてすみません」という気持ちを伝える表現です。
ただし、このフレーズは基本的に“目上の人に対して”使うのが正しいとされています。
| 表現 | 使える相手 | 注意点 |
|---|---|---|
| ご足労おかけします | 上司・取引先 | 応募者にはNGとされることも |
【例文】
ご多忙のところ恐れ入りますが、◯月◯日(◯)14時にてお打ち合わせの機会を頂戴できればと存じます。
ご足労をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
応募者など目上でない相手には、「お越しいただきありがとうございます」のような言い換えが無難です。
相手に配慮が伝わる!メール文面に添える一言フレーズ集
「ご来訪お待ちしております」と一言で終わらせるよりも、相手に寄り添った一文を添えるだけで、印象はぐっと良くなります。
この章では、相手に配慮が伝わる「あと一言」のフレーズをシーン別に紹介します。
堅苦しくならず、気遣いを自然に伝えるメール作成に活用してください。
「お気をつけてお越しください」など気遣いの一文
天気が悪い日や遠方から来てもらうときなど、安全面への配慮を示す一文はとても効果的です。
| シーン | 使えるフレーズ |
|---|---|
| 天候が悪い日 | お足元の悪い中恐れ入りますが、お気をつけてお越しください。 |
| 遠方からの来訪 | ご足労をおかけしますが、道中どうかお気をつけください。 |
| フォーマルな案内 | 当日はどうぞお気をつけてお越しくださいませ。 |
これらの一文を添えることで、相手への思いやりがしっかり伝わります。
「お気をつけて」は汎用性が高く、あらゆるシーンで使える万能フレーズです。
返信依頼や日程調整を促すフレーズの例
来社を依頼する際には、相手からの返信が必要になることも多いですよね。
そんな時は、負担をかけずに返信を促す一言を入れると親切です。
- ご都合のよろしい日程を、◯月◯日までにご教示いただけますと幸いです。
- 上記日程でのご来社が難しい場合は、別途ご都合のよい日程をご連絡ください。
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
どれも丁寧で、相手にプレッシャーを与えず対応をお願いできる表現です。
「〜ください」よりも「〜いただけますと幸いです」の方が、柔らかい印象を与えられます。
当日リマインドに使える一言まとめ
前日に送るリマインドメールにも、ひとこと添えると安心感が増します。
| 文脈 | おすすめフレーズ |
|---|---|
| リマインドメール | 明日はどうぞお気をつけてお越しください。 |
| 当日の朝 | 本日、お目にかかれることを楽しみにしております。 |
| 感謝を込めて | お忙しい中、ありがとうございます。 |
一見小さな一文ですが、こうした配慮は「気が利く人」という印象を強く残します。
メールは内容だけでなく「気持ち」も伝えるツールです。
ビジネス英語での表現と英文メール例文
海外の取引先や外資系企業とのやりとりでは、「ご来訪お待ちしております」の英語表現も知っておきたいところです。
この章では、英語での丁寧な案内文の表現や、実際のメール例文を紹介します。
相手の文化に配慮しながら、フォーマルかつ親しみのあるメールを作成しましょう。
基本表現:We look forward to your visit
「ご来訪お待ちしております」を最もシンプルに英訳するなら、以下のフレーズが定番です。
- We look forward to your visit.(ご来訪をお待ちしております)
- We are looking forward to welcoming you.(お迎えできるのを楽しみにしております)
- We will be pleased to welcome you at our office.(弊社でお迎えできれば幸いです)
いずれもフォーマルで丁寧な印象を与えるので、ビジネスメールに適しています。
相手が英語ネイティブでない場合は、特にシンプルで明確な表現が好まれます。
日時・場所を明記した丁寧な英文例
英語メールでは、訪問日時と場所を明確に記載することが重要です。
| 項目 | 例文 |
|---|---|
| 訪問日時 | We look forward to your visit on Tuesday, September 5th at 3:00 PM. |
| 場所 | Our office is located at Tokyo Midtown Tower, 12th Floor. |
| 持ち物 | Please bring your ID card for building access. |
これらの情報を忘れずに記載することで、相手に安心感を与えられます。
明確かつ簡潔な表現が、信頼されるビジネスメールの鍵です。
ビジネスメール英文テンプレート
以下に、海外クライアント向けの訪問案内メールのテンプレートを紹介します。
Subject: Meeting Invitation at Our Tokyo Office Dear Mr./Ms. [Name], Thank you for your continued interest in our partnership. We would like to invite you to our Tokyo office for a meeting to further discuss our collaboration. Date: Tuesday, September 5th Time: 3:00 PM Location: Tokyo Midtown Tower, 12th Floor Please bring your ID card for building entry. We look forward to your visit. Best regards, [Your Name] [Your Position] [Company Name]
このテンプレートを元に、目的やトーンを調整すれば、様々なシーンに応用可能です。
まとめ|ご来訪お待ちしておりますメールで信頼される書き手に
ここまで、「ご来訪お待ちしております」を使ったメールの書き方や注意点を、さまざまな角度から見てきました。
この章では、記事全体のポイントを振り返りながら、実際にメールを書く際の心構えを整理していきましょう。
相手との関係を深める一歩として、この表現を上手に活用してください。
要点のおさらい
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 基本の意味 | 相手を歓迎し、敬意を表すフォーマルな表現 |
| メール例文 | 面接、商談、新規取引先など、目的に応じた文例を紹介 |
| 言い換え表現 | 「お越しをお待ちしております」「お会いできるのを楽しみにしております」など |
| +αの一言 | 「お気をつけてお越しください」「ご都合をお聞かせください」など、配慮のある文言 |
| 英語表現 | 「We look forward to your visit.」を中心としたシンプルな英語例文 |
「ご来訪お待ちしております」は、ただの決まり文句ではなく、信頼と誠意を伝えるメッセージです。
メールは「人柄」が出るツール
どんなに正しい敬語や丁寧な表現を使っていても、「配慮」や「気遣い」がなければ、相手の心には届きません。
一文でも「相手のことを思っている」と伝わる内容を添えることで、メール全体の印象は大きく変わります。
たとえば、
- 「お忙しい中恐れ入りますが…」
- 「ご負担にならない範囲で…」
- 「ご不明な点がありましたら、お気軽に…」
こういったフレーズは、相手を尊重する気持ちの表れですよね。
メール=言葉だけのやりとりだからこそ、細やかな気配りが際立ちます。
今すぐ使えるチェックリスト
最後に、実際にメールを送る前に確認したいポイントをまとめておきます。
- 訪問日時・場所は明記されているか?
- 相手に応じた言葉遣いになっているか?
- 柔らかいトーンで配慮を伝えているか?
- 返信や日程調整の依頼は明確か?
- 安心感を与える一文が添えられているか?
これらを意識することで、あなたのメールはさらに洗練され、相手に信頼されるコミュニケーションが取れるようになります。
小さな一言で、関係性が大きく変わることもある。そんな気持ちで、今日からメールを書いてみてください。


