十三夜とは？ 簡単にわかりやすく意味を解説

十三夜と十五夜の違いについて詳しく解説

十五夜と十三夜は、日本における秋の代表的な月見行事です。しかし、両者の間には起源や目的、行われる日時、月の状態に明確な違いがあります。それぞれの行事がどのような特徴を持つのか、詳細に見ていきましょう。

1. 発祥地と目的の違い

十五夜は中国から日本に伝わった風習で、「中秋の名月」として知られています。この行事は中国で古くから行われていた、秋の豊作を祈る祭事が起源です。日本に伝わってからは、農作物の収穫を祈願する重要な行事として広まりました。特に、米の収穫に関連するため、十五夜は稲作文化に深く結びついています。

一方、十三夜は日本独自の風習で、平安時代から行われていたとされています。十五夜が秋の豊作を願う行事であるのに対して、十三夜は収穫を終えた後の感謝祭に近い行事です。稲作を終えた後、秋の収穫物に感謝しながら、美しい月を鑑賞するのが十三夜の目的です。このように、十五夜が願い事の行事であるのに対し、十三夜はその結果に感謝する行事という違いがあるのです。

2. 月の状態と美しさの違い

十五夜は、新月から数えて15日目にあたる満月の夜です。この満月の美しさを愛でるため、多くの人々が十五夜の月見を楽しみます。一方、十三夜は新月から数えて13日目に行われるため、月は満月には至らず、少し欠けた状態です。この十三夜の月は「十三夜月」として親しまれ、欠けた月が持つ独特の趣を楽しむ風習が根付いています。

十三夜の月は「名残の月」とも呼ばれ、十五夜に次ぐ美しい月とされています。日本人の美意識において、完全なものよりも、少し不完全な状態のものに美しさを見出す感性があり、十三夜の月はまさにその象徴といえます。十五夜が満ちた月の美しさを楽しむものであるのに対して、十三夜はその少し欠けた月を愛でるという、異なる美意識が働いているのです。

3. 神様へのお供え物の違い

十五夜と十三夜の大きな違いは、お供え物にも現れます。十五夜は「芋名月」とも呼ばれ、収穫期に入るサツマイモなどの芋類を神様に供えます。この行事は、豊作を祈願する意味が強いため、秋に収穫される根菜類が主に供えられるのです。さらに、十五夜には満月を象徴する月見団子を15個用意し、月に捧げます。

それに対して、十三夜は「栗名月」「豆名月」と呼ばれ、栗や大豆がメインのお供え物となります。この時期には、栗や大豆が収穫されることから、これらの作物を神様に捧げ、秋の収穫に対する感謝を表現します。供える月見団子の数も十三夜では13個と決まっており、十五夜とは異なる風習を持っています。

最後に表でまとめます。

このように、十五夜と十三夜は月見行事として共通点が多いものの、それぞれの目的やお供え物、月の状態に違いがあります。「十三夜とは簡単に」言えば、十五夜と対になる秋の風習であり、秋の収穫を感謝しながら月を楽しむ特別な夜です。それぞれの行事が持つ独自の意味や美しさを知ることで、日本の伝統行事をより深く楽しむことができるでしょう。